KDDIの新料金プランとして話題となっているpovoですが、不便な点はないのか、どのような魅力があるのか、気になっている方も多いでしょう。
そこで今回は、povoのデメリットやメリットを徹底解説していきます。
デメリットやメリットをふまえて、おすすめできない人やおすすめできる人も整理してみました。
povoへの乗り換えを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
- 1 povoのデメリットを一覧化
- 2 povoをおすすめできない人
- 3 povoのメリット
- 4 povoをおすすめできる人
- 5 まとめ:povoにもデメリットはあるが携帯代を節約できる!
povoのデメリットを一覧化
まずはpovoのデメリットから解説していきます。
povoのデメリットは下記の通りです。
- ずっと0円で利用することはできない
- au家族割の対象外である
- 店舗や電話から契約ができない
- 使えない電話サービスがさまざまある
- 端末を購入できない(SIMのみ販売)
- キャリアメールの提供がない
- 余ったデータ容量の繰越ができない
- 国際ローミングに対応していない
- 通信制限発生時の速度が他社より遅い
- キャリア決済を利用できない
早速、それぞれのデメリットについて詳細を確認していきましょう。
デメリット①:ずっと0円で利用することはできない
povoは基本料金が無料ですが、ずっと0円で利用することはできません。
180日以上有料のトッピングを購入しない場合、利用停止や契約解除になる場合があります。
なお、従量通話料とSMS送信料の合計額が660円を超えれば、トッピングを購入しなくても利用を継続できます。
このようにpovoを利用するには最低限の料金を支払わなければなりません。
povoは完全に無料ではない点に注意が必要です。
デメリット②:au家族割の対象外である
auには家族割と家族割プラスという割引の仕組みがありますが、povoを利用するときは家族割の対象外である点に注意が必要です。
家族の携帯料金が増加する恐れがある
au家族割プラスとは、カウント対象プランに加入している家族の人数に応じて携帯の月額料金を割り引くサービスです。
新auピタットプランやauフラットプラン7プラス、auデータMAXプランなどの月額料金が割り引きされます。
カウント対象プランに加入している家族の人数 | 割引金額 |
---|---|
2人 | 500円 |
3人 | 1,000円 |
povoを利用する場合は、au家族割プラスによる割り引きが受けられません。
povoはカウント対象プランとして認められないので、povoに乗り換えた場合に家族が割り引きを受けられなくなったり、割引金額が減ってしまう可能性があります。
家族間の通話料などが有料になる
次にauの家族割は、家族でau携帯電話を利用するとき、家族間の国内通話料とSMS送信料が24時間無料になる割引制度です。
しかし、povoを利用する場合は家族間であっても、通話料とSMS送信料が有料になります。
デメリット③:店舗や電話から契約ができない
povoは、オンライン契約専用のプランであり、auショップや電話などで契約を行えません。
新規契約をするときは、アプリをダウンロードして本人確認や必要事項の入力を行います。
SIMカードに関しては契約後に郵送で受け取る仕組みです。
アプリの操作に不慣れな方だと、自分で契約をするのに不安を感じてしまうでしょう。
デメリット④:使えない電話サービスがさまざまある
povoでは使えない電話サービスがさまざまあります。
具体的に使えない機能は下記の通りです。
- 留守番電話サービス
- 着信転送サービス
- 割込通話サービス
それぞれの詳細を確認してみます。
留守番電話サービスが利用できない
povoでは留守番電話サービスを利用できません。
仕事や就職活動、各種手続きなどで、大切な用件を知りたいときに不便です。
プライベート以外の電話を受けることが多い方であれば、支障をきたしてしまうこともあるでしょう。
着信転送サービスに非対応
povoは着信転送サービスにも対応していません。
着信転送サービスとは、電話がかかってきたときに登録した別の電話に転送してもらえるサービスです。
仕事などで複数の携帯電話を利用する場合には不向きといえるでしょう。
割込通話サービスも利用不可
povoでは割込通話サービスも利用できません。
割込通話サービスとは、通話中にほかの人から電話がかかってきたとき、現在通話中の電話を一旦保留にして、後からかかってきた電話に応じられるサービスです。
電話をする機会が多い方や、長電話になりがちな方であれば、通話に出られないときに不便を感じてしまう可能性があります。
デメリット⑤:端末を購入できない(SIMのみ販売)
povoではSIM販売のみ受け付けており、スマホ端末を公式ホームページから購入できません。
通常の店舗契約型ですと、キャリアの契約と共にスマホの売買契約も出来ましたが、povoではスマホの売買契約を行うことができないということです。
そのためスマホを購入する場合は、au Online Shopや量販店などを利用することになります。
なお、対応機種・動作確認端末はpovoの公式ホームページで公表されています。
面倒ではありますが、povoを契約する前に今持っているスマホ、あるいは購入予定のスマホがpovoで使えるか確認しましょう。
povo2.0の対応機種・端末ページです。SIM/eSIMの動作確認を行った機種・端末一覧、最新のiPhone等のスマー…
デメリット⑥:キャリアメールの提供がない
キャリアメールとは、携帯を契約すると利用できるようになるメールサービスです。大手携帯会社のキャリアメールのアドレスは下記の通りです。
~@docomo.ne.jp
~@softbank.ne.jp
~@ezweb.ne.jp
~@au.com
povoでは独自のキャリアメールを提供していません。
つまり、携帯の契約を締結してもメールを利用できないということです。
そのため、フリーメールに登録する必要があります。フリーメールはアカウントを登録するだけで無料で利用できるメールサービスです。
登録すれば、携帯に限らずパソコンのWebブラウザからもメールを送受信できます。
おすすめのフリーメール
おすすめできるフリーメールサービスとしてGmailが挙げられます。
Gmailは、検索エンジンで知られるGoogle社が提供しているフリーメールサービスです。
Googleアカウントを作成するだけで無料で利用できます。
また、最近の携帯にはデフォルトでGmailのアプリが搭載されていることが多く、携帯を購入してからスムーズにメールが使えるようになります。
povoを契約するときもGmailの利用を検討してみるとよいでしょう。
デメリット⑦:余ったデータ容量の繰越ができない
povoでは、トッピングによってデータ容量を追加できますが、繰り越しはできません。
というのも、データトッピングには7日間、30日間、24時間のように利用期間・利用時間が定められているからです。
Web会議のスケジュールにあわせてトッピングを追加したとき、もし会議が延期されてしまえば購入費用が無駄になってしまいます。
データ利用のスケジュール変更に対処しづらい点が不便です。
デメリット⑧:国際ローミングに対応していない
povoでは、現在(2022年7月執筆時点)国際ローミングに対応していません。
国際ローミングとは、国内で契約しているスマホを海外で利用することです。
「日本の携帯電話基地局がない海外では、電波をどうやって利用するの?」と思うかもしれません。
海外でスマホの通信を行うときは、日本の携帯電話会社が提携する海外現地の携帯電話会社の電波を使用します。
なお、将来的に国際ローミングに対応する場合は、開始時期が別途知らされるとのことです。
デメリット⑨:通信制限発生時の速度が他社より遅い
povoではデータトッピングをつけない場合、通信速度は128kbpsととても遅い通信速度となります。
基本的には128kbpsだとインターネットを利用するときの動作が遅くなり、ほとんど使い物になりません。
UQ mobileやY!mobileなどでは、データ容量超過後でも最大1Mbpsの通信速度で利用できるプランがあります。
1Mbpsであれば、メールやLINEなどの送受信で不都合がないだけでなく、低画質の動画視聴も可能です。
よくデータ容量を使い切ってしまう方はpovoでストレスを感じるかもしれません。
デメリット⑩:キャリア決済を利用できない
povoでは、auかんたん決済を利用できません。
auかんたん決済とは、auIDを用いてスマホやPCなどで購入したコンテンツや買い物の代金をスマホ料金とまとめて支払えるサービスです。
ちなみにpovoで利用できる支払方法は下記の通りです。
- au PAY カード支払い
- au PAY 残高支払い
- WebMoney支払い
- クレジットカード支払い
povoをおすすめできない人
ここまで紹介したデメリットをふまえてpovoをおすすめできない人をまとめてみました。
- povoは完全無料で利用できると思っている人
- au家族割で携帯料金を安くしたい方
- au携帯で家族と無料で通話したい方
- 店頭で契約をしたい方
- 留守番電話や着信転送、割込通話などの機能を使いたい方
- 店頭で端末の操作感を試してから契約したい方
- キャリアメールを利用したい方
- データ容量を繰り越せるプランを探している方
- 海外でスマホを利用する可能性がある方
- 少しでも最低通信速度が速いプランを検討している方
- スマホで買い物をするときに携帯料金と合算したい方
povoのメリット
引き続きpovoのメリットを解説していきます。
povoのメリットは下記の通りです。
- 基本料金が無料である
- データ容量を自由に追加できる
- かけ放題が提供されている
- au回線なので速度が速く安定している
- 契約事務手数料や解約手数料が発生しない
- auからの乗り換えが簡単
- eSIMに対応している
- テザリングが無料で利用できる
- auのキャリアメールを持ち運びできる
- auからpovoに変更するときに解約金が発生しない
早速、詳細を確認していきましょう。
①基本料金が無料である
povoでは、180日以上有料トッピングを購入しない場合は、利用停止や契約解除になる可能性があるものの、基本料金が無料である点は見過ごせないメリットです。
なお有料のトッピングの料金はそこまで高くありません。
トッピングを購入したとしても携帯料金を1,000円に抑えることも不可能ではないでしょう。
②データ容量を自由に追加できる
ライフスタイルによっては、毎月同じデータ容量が必要になるとは限りません。
しかし、必要なデータ容量を確保するために、携帯プランをその都度変更するのは面倒です。
その点、povoではトッピングを購入してデータ容量を自由に追加できます。
プラン変更をせずに、必要なデータ容量を確保できるのは便利でしょう。
③ かけ放題が提供されている
povoでは、トッピングでかけ放題サービスを利用することも可能です。
書き放題に関するトッピングは「5分以内通話かけ放題」と「通話かけ放題」の2種類に分けられます。
それぞれの詳細は下記の通りです。
5分以内通話かけ放題
サービス内容 | 1回5分以内の国内通話が何度でも無料 ※1回の通話が5分を超えると、5分超過分あたり22円(税込)/30秒の通話料が発生 |
---|---|
トッピング料金 | 月額550円(税込) |
通話かけ放題
サービス内容 | 国内通話が何度かけても通話時間に関係なく無料になる |
---|---|
トッピング料金 | 月額1,650円(税込) |
通話オプションは確かに便利ではありますが、最近ではLINEのようなチャットアプリで無料で通話できます。
データ容量の範囲内でうまく活用すれば、かけ放題のトッピングを購入せずにお得に利用することも可能です。
LINEの音声通話のデータ通信量
LINEで音声通話をするときのデータ通信量の目安は下記の通りです。
無料通話時間 | データ通信量 |
---|---|
1分 | 0.3MB |
10分 | 3MB |
30分 | 3MB |
1時間 | 18MB |
参考:LINE通話のデータ通信量(LINE MOBILE)
④au回線なので速度が速く安定している
通信事業者はMNOとMVNOに分かれます。
MNOはauのように自社の回線で通信サービスを提供する事業者であり、MVNOはMNOの回線を借りて通信サービスを提供する事業者です。
混雑する時間帯だと、MVNOの通信サービスは、通信速度が低下しやすいといわれています。
その点、povoはauと同じ自社回線を利用するサービスなので、速度が速く安定した環境で通信しやすいでしょう。
⑤契約事務手数料や解約手数料が発生しない
povoでは、1回線目の契約に関して契約事務手数料が発生しません。
また、povoを解約するときには解約手数料や違約金も発生しません。
万が一povoの使い心地に満足できなかった場合でも損をしづらいでしょう。
⑥auからの乗り換えが簡単
povoはauの格安プランという位置付けなので、他社回線から乗り換えるときのように電話番号の引継処理が必要ありません。
また、auで購入した端末はSIMロック解除も不要です。au IDとクレジットカードの情報があればスムーズに乗り換えられます。
⑦ eSIMに対応している
povoはeSIMに対応しています。
eSIMとは、スマホの端末内にSIMが搭載されている本体一体型のSIMです。
通常のSIMカードと違って、カードを差し替える手間が発生しません。
eSIMの場合、QRコードやURLを通してオンライン上で手続きを完結させられるので、契約や乗り換えがスムーズです。
iPhoneのように、物理SIMとeSIMの両方に対応しているデュアルSIM対応スマホであれば、2つのキャリアを1つの端末で使い分けて通信することもできます。
したがって、1つのスマホを仕事とプライベートで使い分けたい場合にもpovoは有力な選択肢となるでしょう。
⑧ テザリングが無料で利用できる
テザリング機能とは、スマホからほかのデバイスにデータ通信をシェアする機能です。
回線につながっていないパソコンやタブレットなどでもインターネットを利用できるようになります。
一般的な携帯プランでは、テザリングを利用するのに500円程度の料金が発生することがありますが、povoではテザリングが無料で利用できます。
テザリングを利用するときに申し込みも必要ないので、ほかのデバイスで気軽にデータ通信できるようになるでしょう。
⑨auのキャリアメールを持ち運びできる
auからpovoに乗り換えるときは、有料でauのキャリアメールを継続して利用できます。
月額料金やau解約後に利用できるドメイン、利用条件、保存容量、保存件数、保存期限、付随機能などは下記の通りです。
月額料金 | 330円(税込)/1メールアドレス |
---|---|
ドメイン | ・ @ezweb.ne.jp ・ @au.com |
月額料金 | 330円(税込)/1メールアドレス |
保存容量 | 400MB ※au Webメールに登録済みで、auスマートパスプレミアム・auスマートパスに解約後も加入中であれば1GB |
保存件数 | 5,000件 ※au Webメールに登録済みで、auスマートパスプレミアム・auスマートパスに解約後も加入中であれば20,000件 |
保存期間 | 無期限 |
付随機能 | ・ 迷惑メールフィルター ・ 自動転送 |
なお、下記のドメインは利用できないので注意してください。
・UQ mobileメール(@uqmobile.jp)
・ビジネスメールアドレス(@xxx.biz.ezweb.ne.jp/@xxx.biz.au.com)
迷惑メールフィルターについては、申込前の設定がすべてリセットされるので、申込完了後に再設定が必要です。
⑩auからpovoに変更するときに解約金が発生しない
auからpovoに変更するときには、契約期間による契約解除料や手数料が発生しません。
また、月の途中でもauからpovoに変更することもできます。
変更した月の利用料金については日割りで請求される仕組みです。
このように解約料金が発生しないうえに変更のタイミングにも制限がありません。
auユーザーであれば、コストをかけずスムーズにpovoへ乗り換えられるでしょう。
povoをおすすめできる人
ここまで紹介したメリットをふまえてpovoをおすすめできる人をまとめてみました。
- 携帯を余り使っておらず基本料金の支払いに不満がある人
- 必要なタイミングで必要なデータ容量を確保したい人
- 電話をたくさんかける可能性がある人
- 通信速度や通信の安定性を重視する人
- 解約する可能性まで想定している人
- auから乗り換えをする人
- 一つの携帯を仕事とプライベートで使い分けたい人
- テザリングでパソコンやタブレットでも通信できるようにしたい人
- auのキャリアメールを引き継ぎたい人
まとめ:povoにもデメリットはあるが携帯代を節約できる!
povoのデメリット・メリットをご紹介するとともに、おすすめできない人とおすすめできる人を解説しました。
povoは、現在の契約状況によって契約手続きが変わってくるほか、SIMに関する知識も必要になってきます。
手続きが若干複雑にもかかわらず、店舗で契約できない点は見過ごせないデメリットでした。
その一方でpovoは、基本料金が0円であり、必要なトッピングに必要な料金だけを支払う仕組みを採用していました。
基本料金が無料な分、ほかの携帯よりも携帯料金を節約できる可能性が高いです。
また、携帯をあまり使わなかった月はダイレクトに携帯料金が下がるので、他社と比較して基本料金の支払いに不満を持つこともありません。
現在の携帯料金を今より安くしたい方にとって、povoは有力な選択肢となるでしょう。